「廃車にしたいけど、お金がかかるのでは?」
「古い車だから処分費用を請求されそう」
「動かない車でも無料で引き取ってもらえるの?」
車を手放すとき、このような不安を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、廃車はやり方によってお金がかかる場合もありますが、廃車買取業者を利用すれば無料、もしくは買取金額がつくケースもあります。
特に、車検切れの車、事故車、不動車、古い車でも、部品や鉄資源として価値が残っていることがあります。そのため「廃車=必ず処分費用がかかる」と決めつける必要はありません。
この記事では、廃車にかかる費用の内訳、無料で廃車にする方法、廃車時に戻ってくるお金、損しないための注意点までわかりやすく解説します。
廃車にはお金がかかる?
廃車にお金がかかるかどうかは、どこに依頼するかによって変わります。
自分で運輸支局や軽自動車検査協会に行って手続きする場合、手続き自体の費用はそこまで高額ではありません。ただし、解体業者への依頼、車の運搬、レッカー、書類準備などを含めると、結果的に費用がかかることがあります。
一方で、廃車買取業者に依頼する場合は、レッカー費用や廃車手続き費用を無料にしている業者もあります。さらに、車の状態によっては買取金額がつくこともあります。
つまり、廃車にお金がかかるかどうかは、次の3つで大きく変わります。
- 車が自走できるか
- リサイクル料金を預託済みか
- 廃車専門の買取業者に依頼するか
古い車や壊れた車でも、廃車の出し方を間違えなければ、費用をかけずに手放せる可能性があります。
廃車にかかる主な費用
廃車にかかる可能性がある費用は、主に以下の5つです。
- 廃車手続きの費用
- 解体費用
- レッカー・引き取り費用
- リサイクル料金
- 代行手数料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 廃車手続きの費用
普通車を廃車にする場合は、運輸支局で抹消登録の手続きを行います。廃車には主に、車の使用を一時的に止める「一時抹消登録」と、車を解体して完全に登録を消す「永久抹消登録」があります。国土交通省の自動車検査登録総合ポータルでも、車の使用中止・解体・輸出に関する抹消登録手続きが案内されています。
一般的に、自分で手続きする場合の登録手数料は高額ではありません。たとえば一時抹消登録は、登録関連団体の手数料一覧でも450円と案内されています。
ただし、手続きには車検証、ナンバープレート、印鑑証明書などが必要になる場合があり、書類取得費や交通費、手続きにかかる時間も考える必要があります。
また、軽自動車の場合は普通車とは手続き先が異なり、軽自動車検査協会で「自動車検査証返納届」や「解体返納」などの手続きを行います。軽自動車検査協会では、軽自動車の使用を一時中止する場合には自動車検査証返納届が必要と案内されています。
2. 解体費用
廃車にする車を完全に処分する場合、車を解体する必要があります。
解体費用は業者や地域によって異なりますが、個人で解体業者に依頼する場合は費用が発生することがあります。特に、車を自分で持ち込めない場合は、別途レッカー代や引き取り費用がかかる可能性があります。
一方で、廃車買取業者の場合は、車を部品や鉄資源として再利用する販路を持っているため、解体費用を無料にしているケースがあります。
古い車でも、以下のような価値が残っていることがあります。
- エンジン部品
- ミッション
- タイヤ・ホイール
- バッテリー
- 外装パーツ
- 内装パーツ
- 鉄・アルミなどの金属資源
- 海外輸出向けの需要
そのため、処分費用を払う前に、まずは廃車買取の査定を受けることをおすすめします。
3. レッカー・引き取り費用
車が自走できない場合は、レッカーや積載車で運ぶ必要があります。
このレッカー費用が、廃車でお金がかかる大きなポイントです。
たとえば、事故車、不動車、車検切れの車などは、公道を走れないため、自分で解体業者や整備工場へ持ち込むことができません。その場合、レッカーを手配する必要があります。
レッカー費用は距離や車の状態によって変わりますが、遠方への搬送や特殊な引き上げが必要な場合は高くなることがあります。
ただし、廃車買取業者の中には、レッカー引き取りを無料にしている業者もあります。特に不動車や事故車の場合は、レッカー無料の業者を選ぶことで、廃車費用を抑えられます。
4. リサイクル料金
廃車時に関係する費用として、リサイクル料金があります。
リサイクル料金とは、自動車を解体・破砕した後に発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類などを適正に処理するための費用です。
多くの車では、新車購入時や車検時などにリサイクル料金をすでに預託しています。自動車リサイクルシステムでは、リサイクル券はリサイクル料金の預託を行った証明として発行されるものと説明されています。
つまり、すでにリサイクル料金を支払っている車であれば、廃車時にあらためてリサイクル料金を請求されないケースが一般的です。
ただし、リサイクル料金が未預託の場合は、廃車時に支払いが必要になることがあります。リサイクル券が手元にない場合でも、預託状況を確認できるため、まずは車検証情報をもとに確認しましょう。
5. 廃車手続きの代行手数料
廃車手続きを業者に依頼する場合、代行手数料がかかる場合があります。
行政書士、ディーラー、整備工場、中古車販売店などに依頼すると、手続き代行費用として数千円から数万円程度かかることがあります。
一方で、廃車買取業者では、廃車手続きの代行費用を無料にしているケースもあります。
費用を抑えたい場合は、査定時に次の点を確認しておきましょう。
- 廃車手続き代行は無料か
- レッカー引き取りは無料か
- 解体費用は無料か
- 後から追加費用が発生しないか
- 還付金の扱いはどうなるか
「無料」と書かれていても、条件によって費用が発生する場合があります。契約前に総額を確認することが大切です。
廃車費用の目安
廃車にかかる費用の目安を整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一時抹消登録 | 数百円程度 | 普通車の場合、登録手数料が必要 |
| 永久抹消登録 | 無料〜数百円程度 | 解体後に手続きが必要 |
| 解体費用 | 0円〜数万円 | 業者によって異なる |
| レッカー費用 | 0円〜数万円 | 自走不可・遠方搬送は高くなりやすい |
| リサイクル料金 | 預託済みなら追加負担なしが一般的 | 未預託の場合は支払いが必要 |
| 代行手数料 | 0円〜数万円 | 依頼先によって差がある |
自分で手続きすれば行政手数料は安く済みますが、車の引き取りや解体まで含めると手間がかかります。
廃車買取業者に依頼すれば、手続き・引き取り・解体をまとめて任せられるため、結果的に費用を抑えやすい場合があります。
廃車で戻ってくるお金もある
廃車は「お金がかかる」だけではありません。
条件を満たせば、廃車時に戻ってくるお金があります。
代表的なのは以下です。
- 自動車税の還付
- 自動車重量税の還付
- 自賠責保険の返戻金
- 任意保険の返戻金
- 廃車買取金額
それぞれ確認しておきましょう。
自動車税の還付
普通車を年度途中で抹消登録した場合、自動車税が月割で還付されることがあります。
自動車税は、毎年4月1日時点の車検証上の所有者などに課税されます。滋賀県の自動車税Q&Aでも、1年分を納税した場合、抹消登録された翌月以降の自動車税は月割で還付すると案内されています。
たとえば、5月に抹消登録した場合、6月から翌年3月までの残り月数分が還付対象になるイメージです。
ただし、軽自動車税には月割還付がありません。軽自動車を廃車にしても、その年度分の軽自動車税が月割で戻ってくるわけではないため注意が必要です。
自動車重量税の還付
車検が残っている車を永久抹消登録した場合、自動車重量税が還付されることがあります。
自動車重量税は車検時にまとめて支払う税金です。車検期間が残っている状態で車を解体し、永久抹消登録を行うと、残り期間に応じて還付を受けられる可能性があります。
軽自動車検査協会の解体返納手続きページでも、自動車重量税還付申請について案内されています。
ただし、重量税の還付は「解体を伴う永久抹消」が前提です。一時抹消登録だけでは還付対象にならないため注意しましょう。
自賠責保険の返戻金
車検が残っている車を廃車にする場合、自賠責保険も残り期間に応じて返戻金が出ることがあります。
自賠責保険は車検期間に合わせて加入していることが多いため、車検が長く残っている車ほど返戻金が発生しやすくなります。
ただし、自賠責保険の解約手続きは保険会社で行う必要があります。廃車手続きをしただけで自動的に返金されるわけではないため、保険会社への連絡を忘れないようにしましょう。
任意保険の返戻金
任意保険を年払いしている場合、解約や車両入替によって返戻金が発生することがあります。
廃車にするからといって、すぐに任意保険を解約すればよいとは限りません。次の車を購入する予定がある場合は、等級を引き継ぐために「中断証明書」の発行を検討したほうがよい場合もあります。
廃車後に車に乗らない期間がある場合は、保険会社に相談して、解約・中断・車両入替のどれがよいか確認しましょう。
廃車買取金額
廃車にする車でも、買取金額がつくことがあります。
特に、以下のような車は価値が残っている可能性があります。
- 年式が古い車
- 走行距離が多い車
- 車検切れの車
- 事故車
- 不動車
- 水没車
- エンジン不調の車
- 外装が大きく傷んだ車
一般的な中古車買取では値段がつかない車でも、廃車買取では部品や資源として評価されることがあります。
廃車費用を払う前に、一度査定を受けるだけでも損を防げます。
廃車にお金がかかりやすいケース
廃車は無料でできる場合もありますが、以下のようなケースでは費用がかかりやすくなります。
車が自走できない
エンジンがかからない、タイヤが動かない、事故で損傷しているなど、自走できない車はレッカー費用がかかる可能性があります。
車検が切れている
車検切れの車は公道を走れません。自分で持ち込むことができないため、積載車やレッカーの手配が必要です。
山奥・離島・遠方に車がある
引き取り場所が遠い場合、無料引き取りの対象外になることがあります。
書類がそろっていない
車検証、印鑑証明書、ナンバープレートなどが不足していると、手続きに時間や費用がかかる場合があります。
所有者がローン会社やディーラーになっている
車検証の所有者欄がローン会社やディーラーになっている場合、所有権解除の手続きが必要です。ローンが残っている場合は、自由に廃車できないことがあります。
廃車を無料にする方法
廃車費用をできるだけ抑えたい場合は、以下の方法を検討しましょう。
廃車買取業者に依頼する
最もおすすめなのは、廃車買取業者に依頼する方法です。
廃車買取業者であれば、レッカー引き取り、廃車手続き、解体をまとめて対応してくれることが多く、費用を抑えやすいです。
さらに、車の状態によっては買取金額がつくため、処分費用を払うどころか、お金を受け取れる可能性もあります。
複数社で査定を取る
廃車買取の査定額は、業者によって差があります。
ある業者では0円と言われた車でも、別の業者では数万円の買取金額がつくことがあります。
理由は、業者ごとに持っている販路が違うためです。
- 国内部品販売に強い業者
- 海外輸出に強い業者
- 鉄資源としての買取に強い業者
- 事故車・不動車に強い業者
このように評価ポイントが異なるため、1社だけで判断しないことが大切です。
レッカー無料の業者を選ぶ
不動車や車検切れの車の場合、レッカー費用が無料かどうかは重要です。
査定額が少し高くても、レッカー費用を差し引かれると損をする場合があります。
査定時には、必ず「引き取り費用は無料ですか?」「後から請求される費用はありませんか?」と確認しましょう。
還付金の扱いを確認する
廃車時には、自動車税や重量税、自賠責保険などの還付・返戻が発生する場合があります。
ただし、業者によっては、査定額に還付金相当額を含めて提示していることもあります。
そのため、以下の点を確認しておきましょう。
- 自動車税の還付は誰が受け取るのか
- 重量税の還付は査定額に含まれているのか
- 自賠責保険の返戻金は自分で手続きするのか
- 査定額と還付金は別なのか
ここを確認しないと、本来受け取れるお金を見落とす可能性があります。
ディーラーに廃車を頼むとお金がかかる?
ディーラーに廃車を依頼することもできます。
ただし、ディーラーは廃車専門業者ではないため、廃車手続きの代行費用や引き取り費用がかかる場合があります。
また、車を買い替える場合は下取りとして処理してもらえることもありますが、古い車や事故車、不動車の場合は値段がつかないケースもあります。
ディーラーに依頼するメリットは、車の買い替えと同時に手続きを進められることです。一方で、廃車買取業者のほうが高く買い取ってくれる可能性もあります。
買い替え予定がある場合でも、ディーラーの下取り額と廃車買取業者の査定額を比較したほうがよいでしょう。
自分で廃車手続きをすると安い?
自分で廃車手続きをすれば、行政手数料は安く抑えられます。
しかし、実際には以下のような手間がかかります。
- 必要書類を集める
- ナンバープレートを外す
- 運輸支局や軽自動車検査協会へ行く
- 解体業者を探す
- 車を運ぶ
- 還付手続きを確認する
平日に時間を取れない方や、車が動かない方にとっては、手間の負担が大きくなります。
そのため、多少の手続き費用を払ってでも業者に任せたほうが楽な場合もあります。
ただし、廃車買取業者なら手続き代行が無料のケースもあるため、自分で手続きする前に査定を取ってみる価値はあります。
廃車で損しないための注意点
廃車で損しないためには、次のポイントを押さえておきましょう。
先に処分費用を払わない
「古い車だからお金を払って処分するしかない」と思い込むのは危険です。
廃車買取業者なら、古い車や動かない車でも値段がつく可能性があります。
1社だけで決めない
廃車の査定額は業者によって違います。
1社で「0円」と言われても、他社では買取金額がつくことがあります。
還付金を確認する
車検が残っている場合、自動車税、重量税、自賠責保険などの還付・返戻が発生する可能性があります。
査定額だけで判断せず、戻ってくるお金も含めて比較しましょう。
名義を確認する
ローン中の車は、所有者がローン会社や販売店になっている場合があります。
所有者が自分でない場合は、勝手に廃車できないことがあります。
廃車手続き完了を確認する
業者に依頼した場合でも、抹消登録が完了したか確認しましょう。
手続きが完了していないと、翌年度の自動車税が課税されるなどのトラブルにつながる可能性があります。
よくある質問
Q. 廃車には必ずお金がかかりますか?
必ずしもお金がかかるわけではありません。廃車買取業者に依頼すれば、レッカー費用や手続き費用が無料になり、車の状態によっては買取金額がつくこともあります。
Q. 動かない車でも無料で廃車にできますか?
無料で廃車にできる可能性があります。不動車でも、部品や鉄資源として価値が残っている場合があります。レッカー無料の廃車買取業者に相談するとよいでしょう。
Q. 車検切れの車は廃車費用が高くなりますか?
車検切れの車は公道を走れないため、レッカーや積載車で運ぶ必要があります。そのため費用がかかることがあります。ただし、無料引き取りに対応している業者を選べば、費用を抑えられます。
Q. リサイクル料金を払っていれば廃車費用はかかりませんか?
リサイクル料金は、車のリサイクル処理に関する費用です。すでに預託済みであれば、廃車時に改めて請求されないことが一般的です。ただし、レッカー代や代行手数料などは別で発生する場合があります。
Q. 廃車にすると税金は戻ってきますか?
普通車の場合、年度途中で抹消登録すると自動車税が月割で還付されることがあります。車検が残っていて永久抹消する場合は、自動車重量税の還付を受けられる可能性もあります。ただし、軽自動車税には月割還付がありません。
Q. 廃車買取と普通の中古車買取は何が違いますか?
普通の中古車買取は、再販売できる車を中心に評価します。一方、廃車買取は、事故車、不動車、古い車などを部品・資源・輸出需要などの観点から評価します。そのため、中古車として値段がつかない車でも、廃車買取では金額がつくことがあります。
まとめ|廃車はお金がかかるとは限らない
廃車は、依頼先や車の状態によってお金がかかる場合もあります。
特に、自分で解体業者やレッカーを手配する場合、解体費用や引き取り費用が発生することがあります。
しかし、廃車買取業者を利用すれば、以下のようなメリットがあります。
- 廃車手続きが無料になることがある
- レッカー引き取りが無料になることがある
- 解体費用がかからないことがある
- 事故車や不動車でも買取金額がつくことがある
- 自動車税や重量税などの還付を受けられる場合がある
つまり、廃車は「お金を払って処分するもの」とは限りません。
古い車、車検切れの車、事故車、不動車でも、まずは廃車買取の査定を受けてみることが大切です。
処分費用を払う前に、
「本当にお金がかかるのか」
「買取金額がつかないか」
「還付金は受け取れるのか」
を確認しておきましょう。